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DREAMSKATE JAPAN -氷上の未来へ- 山内 一秀

DREAMSKATE JAPAN -氷上の未来へ- 山内 一秀

2025年7月、北海道苫小牧市にあるnepiaアイスアリーナにて「DREAM SKATE JAPAN 2025 Jordan Spence Experience Presented by 玄洋会グループ」が開催されました。

このイベントは、日本国籍を持つ現役のNHL(ナショナルホッケーリーグ)プレーヤーであるジョーダン・スペンス選手が、NHLのシーズンオフ中に北米から北海道へと来日し、子供たちにトップレベルのプレーやマインドセットを直接学ぶ機会を提供するものです。プロのアスリートと実際に触れ合い、その姿を通じて、高い目標を持つことの大切さや、挑戦する勇気を伝えていきます。

(イベント開催当日は、ジョーダン選手と一緒に練習しながらプレーを間近で見れることもあって、多くの子どもたちや選手、その家族や親等は大いに盛り上がっていました!)

本記事では同イベントをプロデュースした、弊社POD Americasの山内にインタビューを実施、また実際のイベント当日の動きに密着し、「どういったプロジェクトなのか」「プロジェクト実施の背景にある思い」など、どのような事業を行っていてこのプロジェクトはどういったものだったのか、インタビューを通してその詳細を紹介していきます。

Q. 今回のプロジェクトはどのようなものだったのでしょうか?

DreamSkate Japanは、現役NHL選手であるジョーダン・スペンス選手を日本に招聘し、日本におけるアイスホッケーの本場である苫小牧を舞台に子どもたち向けのスケートクリニックやトークセッションを開催したイベントです。NHLで活躍するトッププレーヤーが日本のアイスリンクで子どもたちに直接指導するという、これまでにない試みでした。

Q. どのような経緯でこのプロジェクトが始まったのですか?

私自身、長年アメリカでスポーツビジネスに携わってきましたが、中心はMLBやアクションスポーツでした。実は、私が小学生から大学まで本気で取り組んでいたのはアイスホッケーで、いつかホッケーを軸にした仕事がしたいという思いをずっと持ち続けていました。

一方で、日本のアイスホッケー界は、かつて長野オリンピックで盛り上がった時代から比べて競技人口が減少し、注目度も低下していると感じていました。そんな中、何か自分にできることはないかと考え続けていた時、ジョーダン選手の存在に辿り着き、彼のバックグラウンドとストーリーが、日本の子どもたちにとって大きなインスピレーションになると確信し、このプロジェクトを企画しました。

Q. プロジェクトを進めるうえでの思いは?

“夢を見せる機会を日本の子どもたちに提供したい”という気持ちが根底にありました。ジョーダン選手は小学校5年生まで大阪で過ごし、その後カナダに渡り、異なる文化・言語の中で努力を重ねてNHLプレーヤーにまで登り詰めました。彼のストーリーを「自分にもできるかもしれない」と感じてくれる子が1人でも現れてくれたら、それが何よりの成果です。

Q. 実現までの道のりで大変だったことや印象深いことは?

NHL現役選手をオフシーズンに日本に招聘し、イベントを実施するというのは前例がほとんどなく、非常にチャレンジングな取り組みでした。エージェントとの信頼関係構築や選手本人への説得、そして彼らの滞在中の安全面やスケジュール調整など、どれもが容易ではありませんでした。

さらに、日本側では、まだ選手の来日が確定していない段階からスポンサー企業に企画を提案し、支援の同意を得る必要がありました。限られた半年間の準備期間の中で、少数精鋭のチームで両面を同時並行で進めたことは、本当に大きな挑戦でした。

ただ、空港に到着した際、子どもたちがジョーダン選手の名前入りプラカードを持って迎えてくれた姿や、彼の練習風景に目を輝かせて見入る子どもたちの姿を見ると、この取り組みは間違っていなかったと心から感じました。

Q. イベントを終えて、今振り返ってどう感じますか?

私自身にとっても、長年の夢が一つ叶った瞬間でした。そして何より、子どもたちや保護者、地域の方々、協力いただいたスポンサー企業の皆さまから「ぜひ来年以降も続けてほしい」という声をいただけたことが、何よりのご褒美でした。

このイベントはただの1回きりの成功にとどまらず、日本のホッケー界に新しい風を吹き込むスタートになったと信じています。

Q. 今後、どのような展望を描いていますか?

私は海外に拠点を置きながらも、常に日本のスポーツ界、特に未来を担う子どもたちに向けてインパクトのある活動を続けていきたいと考えています。

DreamSkate Japanも今年がスタートラインです。今後はより多くの都市で開催したり、フォーマットを変えながらも「夢に触れる機会を届ける」ことを継続していきたいと考えています。

最後に。

今回は、アイスホッケーという競技を通して、アイスホッケー文化が根づく苫小牧でスタートしますが、今後は苫小牧をはじめ、日本各地でこうしたスポーツと新しい出会いと学びの場を広げていけたらと考えています。

世界のトップで活躍する選手と直接触れ合う体験が、日本のヤングアスリート達、そしてアスリートを育むその地方や地域に、新しいインスピレーションをもたらすことを願っています。

山内 一秀

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