All or Nothing

ノジマ相模原ライズの憂鬱

#003 誰がためのリーグ

X1Superに所属するノジマ相模原ライズは、企業チームから生まれ変わった地域密着型のクラブチームだ。ゼネラルマネージャーを務める石井光暢氏が、運営サイドの裏側から見えてくるチームの課題やXリーグの未来像について語る。「All or Nothing」は、日本のアメリカンフットボール界が抱える課題の解決策に対して、新しい方法論を考えていく連載企画。

クラブハウスには栄光の歴代ユニフォームが並ぶ

価値のあるコンテンツとは

米NFLのコンテンツとしての価値の高さは、世界最大のスポーツイベントと称されるスーパーボウルに限ったことではない。レギュラーシーズンの放送権は、FOX、CBS、NBCの3社がシェア。2013年まで総額19億ドル(約1900億円)だった放送権料は、2022年までの9年間で年間約350億円の巨大ビジネスへと成長している。

1試合の広告収入だけで300億円回収するスーパーボウルは別格としても、このケタ違いの数字を並べるだけで、NFLがいかに巨大なマーケットを有しているかということが分かる。

日本アメリカンフットボールの現状

スポーツにおいて「リーグビジネス」の概念はとても重要だ。競技としてのエンターテイメント性を向上させることによって得られるスポンサー料は、特定のチームだけでなく、リーグ全体の運営を助けていくからだ。

では、日本社会人アメリカンフットボール協会、Xリーグの収入源はなにか?

なんと、各チームが収める運営費によって賄われているのが現状だ。

Xリーグにおける各チームのスポンサー集めは、露出という点からもかなり難しいとされている。既存のスポンサーとのエンゲージだけでなく、常に新たな収入源を獲得するためには、なにが必要で、どのようなアクションを起こすべきなのか、チーム単位での迷走が続く。

強力なリーダーシップの必要性

「リーグビジネス」の観点からすると、この役割は運営であるXリーグが担うべきものである。

それに対し、各チームは地域に対してできることを考え、より具体的なビジョンを構築し、競技の認知度、人口拡大に注力していく。

なによりも大切なことは、Xリーグが加盟するチームと同じ方向を目指し、ビジョンを共有することだ。ベクトルが違う現状では、絶対によくならない。はたして誰がリーダーシップを取るのか。それには、プロ野球パシフックリーグマーケティング株式会社のような組織を立ち上げることも必要だろう。

ファン、スポンサー、地域、それぞれのエンゲージメントを高める仕組みを作ること。

新たな状況を作り出すこと

スポンサーとのエンゲージメントは、親会社を持たないクラブチームには死活問題でしかない。チーム単位におけるゴールは、サステナブルな運営ができること。大口のスポンサーが離れてしまえば、チームが成り立たなくなってしまう現状をどう打破していくのか。先ずは身の丈に合った経営するといったことが求められるかもしれないが、身の丈経営という小さなフィールドだけを見つめていることでは中長期的な解決にはつながらないだろう。


いまこそ、スポンサー頼みのチーム運営から脱却して、健全な球団経営ができるような状況を作り出す。

「誰がためのリーグなのか?」

日本社会人アメリカンフットボール協会、Xリーグの強力なリーダーシップが問われている。

To Be Continued

次回は、「#004 数字で見るアメフトの魅力」