The Voice 「Build Up Investing」 京極淳

PHOTO:JUNJI HATA / VIDEO:ROBIN FURUYA / HAIR & MAKE:HIROKI Yoshimori

POD Capital/ATSUSHI KYOGOKU

『PODキャピタル』は、社会に対して、大きなインパクトを与えることができる投資を行なっています。

ビルドアップ投資。

この投資にはふたつの特徴があります。

ひとつ目は、既にある事業だけではなく、今後実現したい事業に投資するもの。場合によっては会社そのものを設立することもあります。そうすることで事業買収の際に必要な高いプレミアムがない、安価なバリュエーションで投資をすることができます。

例えば、現在私たちの投資先である『スマートエナジー』は、かつては再エネの「開発」に従事する会社でした。しかしながら、その継続には大規模な資金が必要で、大手事業者との競争についていけなくなることが予想できました。『PODキャピタル』共同代表の松本と私は、前職時代に大串卓矢社長に、「これからは開発ではなく、保守運用に注力するべきではないか」と提案しました。

その後、事業を大幅転換したことによって、現在では太陽光パネルのO&Mにおいては、日本一のシェアを誇る企業へと成長を遂げています。

ふたつ目は、ビルドアップにおける長期投資。当然短期で投資回収したほうが、内部収益率という指標は高くなる傾向にありますが、事業環境や市場環境は必ずしも完全にコントロールできるわけではありません。ファンド都合でエグジットの時期を決めることは必ずしも、会社及び他のステークホルダーにとっての望ましいことではないこともあります。

新しい事業を立ち上げる、成長させるにはじっくりと腰を据えて取り組む必要があります。事業の立ち上げ・転換という観点から考えても長期投資であることは必須条件です。

私たちは、このように未上場の企業・事業に出資する所謂Private Equity投資を行っています。

通常Private Equityの投資は、既に確立した事業が生み出すキャッシュフローの価値に対してお金を出します。そしてそのリターンを極大化するために、しばしばレバレッジを活用します。また、ファンド全体での投資期間が5年、回収期間が5年、1件の投資では3-4年でのエグジットを目指すことが一般的です。短期志向、会社を借金漬けにするなどいろいろと批判もありますが、その投資手法を否定するわけではなく、実際にPE投資はαを生み出しています。

何故こういった投資スタイルが求められるのか?

資本主義の拡大によって経済は成長し、多くの人が豊かになってきました。しかしながらその限界も見え始めているのも事実です。一方で何が答えなのか、どんな指標を用いて経済性以外で投資のインパクトを計測するのかはまだはっきりとはしていないなかで、「お金だけではない」ということを既に意識的か無意識的に、ほとんどの人が気付いています。

マーケットにおける、SDG/ESG/PPIという考え方も重要です。

投資の世界も変わり始めている側面があります。一方で、まだまだ短期的なリターンを指向する傾向が強いのも確かです。それは時として、社会的意義を犠牲にすることもあります。私たちは社会的意義の追求と投資リターンの両立が可能であると信じているからこそ、むしろ社会的インパクトがない投資ではリターンが実現できない。だからこそ、新しい時代における投資の在り方に対して、ひとつの答えを示せればと考えています。

『PODキャピタル』は、他のファンドでは実現不可能なアプローチができます。

まず、第1に『PODキャピタル』のメンバー全員が今までBuild-up投資に携わり、成功体験を経ているということが挙げられます。メンバーには、通信事業者の立ち上げを実現、再生可能エネルギーの会社を設立した経験があります。いずれの事業も大きく成長し、結果として非常に高いリターンをもたらすことになりました。また、ある製薬企業では、バリューチェーンの上流へ大きく事業領域を変更し、国外進出を広げるために親会社からの独立を支援したこともあります。

これらいずれにも共通することは、まったく未知の領域への進出、新しい技術・ビジネスモデルではないということです。成長余地が大きいにも関わらず、資本や人というリソースを注力されてこなかった、あるいはできなかった領域に集中するということ。他人の資本を預かる以上、新しい投資手法を導入するということには高いハードルが存在します。資金調達の際にも過去の実績を必ず説明しないといけない。『PODキャピタル』は、Build-up投資をするという前提で投資家にも説明しており、実際に調達できている背景があります。

第2にグループの資産運用チームともシナジーがあるということ。『PODウェルスマネージメント』は、もちろんお客様の資産を増やすために仕事をしていますが、私たちのお客様はその資産を社会に還元することに意義を感じている方々ばかりです。Build-upという新しい事業を作る、成長させることに対しても当然価値を感じ、『PODキャピタル』で資金ニーズが発生した場合に資本を提供していただいています。

グループのSocial Brandingチームと共同することで、投資先企業のESG推進を強力に進めることができることも、他社にはない差別化のひとつです。PODは創業以来、さまざまな企業のESG推進・ブランディングを支援しており、そのノウハウが蓄積されています。『PODキャピタル』メンバーとSocial Brandingチームが協力し、惜しみなくそのノウハウを投資先企業に提供する。

このことによって企業価値向上、社会還元の両方を実現することができます。

投資は、事業の成長を通じて魅力的なリターンを確保することは当然ですが、その投資を通じて何かしらの社会的課題を解決できることが、とても重要なのです。

『POD Capital』 代表取締役 京極淳 談

Profile

ATSUSHI KYOGOKU/Partner, ESG Investing Managing Partner / 代表取締役、POD Capital, Inc.


Atsushi works as rep director of POD Capital.

Previously, he worked in the corporate sales division at Sompo Japan.
Previously, he worked at Asset Management Division of Goldman Sachs Japan Co., Ltd., responsible for growth and buyout investments in Japan. He served as external board director of Japan Renewable Energy Corporation, Smart Energy Co., Ltd., and ILS Inc.

Prior to Goldman Sachs, he worked at McKinsey Japan for three years after graduating from the University of Tokyo with a BA in Laws.
Atsushi loves fishing and drinking, while he more often goes for a run to maintain his shape.